「緊張すると手に汗をかいてしまう」そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。スポーツの現場では手にかいた汗がプレイに大きな影響を与えることも。特にボール、グラブ、バットという異なる3種類の道具を使う野球においては、手汗の対策は極めて重要なポイントです。
この記事では、野球をする時の手汗対策を紹介します。手汗を抑えてプレイの質を上げたい人はぜひ参考にしてみてください。
ただし、公式戦における滑り止めはプレイへの影響も大きいことから厳しく規制されています。そのため、本記事ではあくまで趣味として野球を楽しんでいる草野球のプレイヤーに向け、手汗対策を紹介していきます。
西尾 典文
スポーツジャーナリスト
筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中からアマチュア野球のスポーツライターとしての活動を開始する。現在は、主にアマチュア野球、プロ野球を中心に年間300試合以上を現場で取材を行っている。アマチュア野球の専門家としてメディアに多数出演。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿している。
野球をする時に手汗をかくデメリット
では、手汗が野球のプレイに与える影響はどんなものがあるのでしょうか。まず投げる動作では体の動きも重要ですが、最後にボールに接しているのは手の指です。指からボールに上手く力を伝えるためにも、手汗対策は必須と言えるでしょう。
そして、投げる動作はピッチャーだけではなく野手も同様です。守備でも使用する手に汗をかいていることで、グラブやミットの操作を誤り、捕球に悪影響が出ることも。手汗をそのままにしておけば、グラブなどの衛生面も気になります。
また、打撃動作では、バットを握る手が汗によって滑ることは大きなマイナスです。
野球をする時の手汗対策3つ
野球をする時の手汗対策として以下の3つの方法が有効です。
投手用の基本的な滑り止め対策はロジンバッグ
ピッチャーの滑り止めについては基本的にロジンバッグしか認められていません。なぜなら、クリーム状のものなどを使うとボールの変化を大きくすることもできてしまうからです。
メジャーリーグの中継で投手がベンチに下がる時、審判から帽子などにロジンバッグ以外の滑り止めを使用していないかチェックを受けている光景を見たことがあるファンもいるのではないでしょうか。
プロ野球の場合は、審判団がチェックしたロジンバッグのみ使用可能となっていますが、草野球の場合はそこまで細かい規制を設けずプレイしている人も多いはず。あらゆるメーカーより発売されているロジンバッグから、自分に合ったものを選ぶことでパフォーマンスの向上が望めます。
バッティング用手袋でグリップ力がアップ
草野球で基本的に使用している金属バットの場合は、打者が持つ部分にグリップテープが巻かれており、素手で持ってもある程度グリップがきいています。ただ、使用を続けていると徐々にグリップ力は弱まっていくため、定期的に巻き直すなどのメンテナンスは必要です。
そこで、滑り止めやグリップ力アップのために使えるのがバッティング用の手袋です。金属バットはグリップテープがあるため、手袋が必要ないと感じているプレイヤーも多いかもしれませんが、上手く使うことでそれ程力を入れずにグリップ力を高めることができ、バッティングに好影響を与えられます。
バッティング用手袋に加えて、滑り止めスプレーの使用も有効
打者がバッティング用手袋を使用すると、慣れない使用感から逆に滑るように感じるケースもあるため、滑り止めのスプレーとの併用がおすすめです。高校野球ではグリップ力が高くなり過ぎるため、バッターもロジンバックの使用しか認められていませんが、プロ野球、大学野球、社会人野球は木製バットを使っているため、一般的に滑り止めスプレーが使用されています。
使用する時は握る部分に吹きかけるとベタベタして逆に使いづらいこともあり、グリップの少し上に吹きかけて、それを手につけて使うのが一般的。手袋と滑り止めスプレーを合わせて使うことで、力を抜いても強くバットを握ることが可能になり、力みの解消にもつながります。
ボールは皮もしくは人工皮でできています。適切な手入れによってボールの状態を長持ちさせることができます。ボール用のクリーナーも販売されているため、定期的なメンテナンスでボールの質感を維持しましょう。
手汗対策グッズおすすめグッズ3選
手汗対策におすすめのグッズ3選を紹介します。
ミズノ(MIZUNO)
ロジンバッグ すべり止め 野球 ソフトボール 1GJYA30000
商品情報
ブランド名:ミズノ(MIZUNO)
商品名:ロジンバッグ すべり止め 野球 ソフトボール 1GJYA30000
価格:730円(税込)
ロジンバックは汗だけでなく、雨で指が濡れた時にも使用するケースが多いです。湿気を含むとより効果を発揮するという声もあり、多くのユーザーが支持しています。
ピッチャーの滑り止めとして認められている!守備にもおすすめ
ピッチャーの滑り止めとして認められているロジンバック。手汗の対策としてはもちろん、雨で試合を行う時にも使われることが多く、ピッチャー以外のポジションでもボールが滑る時に使用されています。
湿気を含んだ時に効果を発揮するかが重要ですが、ミズノ(MIZUNO) 社製のロジンバッグ すべり止め 野球 ソフトボール 1GJYA30000は、多くのユーザーから評価されている点でおすすめ。プロ野球の公認球を提供しているミズノ(MIZUNO) 社の商品だけに、安心感があるのも当然ですよね。
ゼット(ZETT)
一般用 両手用 インパクトゼット BG919
商品情報
ブランド名:ゼット(ZETT)
商品名:一般用 両手用 インパクトゼット BG919
価格:3,200円(税込)
手のひら部分が独自の仕様で、グリップ力の高さには定評がある滑り止めグローブです。ウォッシャブルなのも衛生面でプラスですね。
木製バットだけでなく、金属バットでも使用できる滑り止めグローブ
バッティング用の手袋というと、木製バットの時に使用するイメージが強いですが、金属バットでも使用することでさらに強いグリップ力を得られます。さまざまな種類の中でも重要なのはやはり手のひらの部分で、ただグリップ力が強くなるだけでなく、違和感がないことも大切です。ゼット(ZETT)一般用 両手用 インパクトゼットは、同社が独自に開発した手のひら部分が好評で、比較的値段も手ごろなことから多くのユーザーに支持されています。また、どうしても汚れることが多いため、ウォッシャブルなのもおすすめしたいポイントです。
久保田スラッガー
グリップガード(すべり止め) E-11
商品情報
ブランド名:久保田スラッガー
商品名:グリップガード(すべり止め) E-11
価格:1,524円(税込)
国内の老舗メーカーである久保田スラッガーの液体スプレータイプの滑り止めです。グリップ力はもちろん、カバーがないデザインながら、持ち運んだ時に噴射されないように作られており、利便性の高さもユーザーの支持を集めています。
日本人や日本の環境に合わせて作られた国内メーカー製造のスプレータイプ
野球用品の国内メーカーでは老舗である久保田スラッガー。野球用品はアメリカ製のものを参考にして作られることが多い中、日本人や日本の環境に合った製品を作っているという意味では安心感があるメーカーです。
グリップガード(すべり止め) E-11も、日本の気候でもグリップ力の強さを発揮するよう作られており、大学や社会人のプレイヤーに使われているのをよく見かけます。持ち運んだ際に誤って噴射しないようなデザインで、カバーもないなど利便性の高さも評価できるポイントです。
野球をする人におすすめのチョークレスとは
ロジンバックやバッティング用手袋、滑り止めスプレーを使用することは野球のプレイにおいてプラスの面が多いですが、それ以外にできる対策としては、そもそもの原因である手汗を抑えるということ。そして、手汗を抑えるという視点は、今まであまりスポットライトが当たってこなかった部分でもあります。
実際に野球における滑り止めを探すと、ロジンバックとバッティング用のスプレーしか見当たらない方も多いはず。手汗そのものを抑えることができれば、他のプレイヤーよりも優位に立てる可能性は高いのではないでしょうか。
そこで、今回紹介したいのが『チョークレス』です。チョークレスは、成分であるシリカが手滑りの原因である手の表面にある皮脂を吸収してくれるのでグリップ力を生み出します。またこのシリカは、手の表面にコーティング膜を形成してくれるので、手の内・外からの水分を弾くため、グリップ力が長時間持続する仕組みです。
チョークというと白い粉をイメージするかもしれませんが、チョークレスは透明の粉末で、ユニフォームやグラブなどが汚れない点も好ポイント。
また10円玉くらいの大きさに広げて使用するだけで両手全体に効果があり、8グラム入りのボトルで持ち運びやすいのも嬉しいところです。
手汗滑りからの解放
革新的な滑り止め | CHALKLESS
CHALKLESSの8グラム入りボトル。手軽に持ち運べるサイズで、場所を取りません。ボトル1本で約40回分の利用が可能。
商品情報
ブランド名:CHALKLESS
商品名:CHALKLESS ボトル (8g)
価格:単品 3,520円(税込)
使用方法は、プレイの前に乾いた手につけてよく擦り込む※だけ。手汗をかいても瞬時に撥水。水を弾くため、手のひらがベタつくこともありません。
バッターの滑り止め対策として、バッティング用の手袋と滑り止めスプレーを紹介しましたが、かつてプロ野球で三冠王を3度獲得した落合博満氏は手のひらの感覚を重視して、あえて素手でバットを握っていたともいう程、手指の感触はプレイにとって重要です。
そして、草野球のプレイヤーの中にも手袋の感覚が合わない選手もいるはずです。そんな選手は特にチョークレスを使用することで、素手でも滑ることなくバットを握ることができ、快適にプレイを楽しめるのではないでしょうか。
もちろん手袋の中で手汗が抑えられる点もメリットです。また、守備において使用するグラブは手汗によるにおいを一般用の消臭スプレーなどでは対応しにくいため、手汗をそもそもを抑えることで、グラブのにおい対策としても期待が持てます。
※濡れた手に付けると効果が発揮されない場合があります。
まとめ
野球はボール、グラブ、バットという異なる3種類の道具を使用する点で他のスポーツと大きく異なっており、手汗が与える影響も非常に大きい競技です。それだけに、プロ野球や高校野球などで滑り止めの厳しいルールが設けられているのも頷けます。
ただ、草野球であればそこまで厳しい規制はなく、手汗自体による悪影響を防ぐことで、プレイに対しての向上が望めます。チョークレスを使うことで、パフォーマンスや用具の衛生面でプラスを感じられる方も多いのではないでしょうか。